ひとことやらもしかしたら妄想文やら
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 Second Letterのほう。 その次の年、綱吉は無事並盛高校に入学をはたした。 合格発表の日を思い出すと、綱吉は今でも穴を掘ってでも隠れたくなるくらい恥かしい。可能性はでてきていたけれど、中学入学当初の酷さを自分自身わかっていただけに、自分が高校に通えるという奇跡が信じられなかったのだ。 「ひ、ひばりさぁああん・・・・・・!!」 「そこまで泣くことかい?」 ついてきてくれた雲雀はほとんど苦笑を浮かべていた。どちらかといえば呆れに近いかもしれない。 「だって、だって・・・・・・オレ、ほんとにっ・・・・・・うそっ・・・・・・」 「僕も見てきたし、少なくても見間違いじゃない」 「じゃあ何かの手違い・・・・・・」 「もしそうだとしても間違う方が悪いんだから今更取消はないよ」 そんなこと雲雀がさせない。 「君が並高に通うのは決定事項だよ」 今でも何故か妙に嬉しそうにしていた雲雀の顔が思い浮かぶ。 その言葉は現実となって、綱吉は今では新しい制服にも慣れ、一緒の学校へと進んだ友人たちと共に高校生活を楽しんでいる。雲雀との交流も順調に続いていて、以前よりはずっとやりとりの回数が多くなり、直に会うことが増えた。ただ、手紙がメールになっただけで関係自体は進展していないのが綱吉にはちょっと不満である。 綱吉は隣を歩く青年に目をやった。あの笑みは綱吉が受かったことを喜んでくれただけではなくて、そう、何か別の。 「そういえば雲雀さん、並高好きだって言ってましたよね。何か思いいれでもあるんですか?」 かつて聞いたことがある。まだヒバード頼みの交流をしていた頃。高校なら並高へ行けと言われた。理由を聞いたら好きだから、と返ってきておかしくなったのだ。 「母校だからね」 「ええっ!!」 幻聴が聞こえた気がしてぽろりとうかつな声があがる。雲雀は眉をよせた。 「並盛に住んでるんだから、校区を考えれば何もおかしくないだろう。言っておくけど、僕は君が去年まで通っていた並盛中の卒業生だよ。風紀委員長もやってたしね」 「ええええええええええーーーーーーーっ?!うそっ?!」 「なんで嘘なのさ」 「だって、雲雀さんがオレとおんなじ学校通ってたなんてとても信じられませんよ!!」 「失礼だね。僕は仕事以外で学校を休んだことはないよ」 なにせ雲雀は学校を愛している。授業を受けているかは別にして、学校にはむしろ休日だってほぼ年中無休で通っていた。 「うそだ・・・・・・」 ヒバードは呑気に校歌を歌った。 そんな会話をした後、雲雀の台詞をどうしても信用することができなくて、綱吉は勤務年数の長い教員を探した。雲雀は写真に写ることが嫌いらしくアルバムにも載っていなかったので、人相手に直接聞いてみようと思ったのだ。 「先生、雲雀恭弥さんって人知ってますか」 「ぶーーーーっ!!」 担任は何故か盛大にお茶を吹き出した。顔は真っ青である。思わず引いた。え、なんで? 「おまっ!沢田!なんてことを軽々と!!どこで聞かれているかわからないんだぞ!!」 「え、ええ?」 何故か何かを恐れているように担任は周囲を見回した。ここは職員室だ。そんな部外者なんてそうそういない。 「なんでいきなり雲雀さんなんだ」 いや、先生の方がなんでいきなりそんな震えてるんですか。なんでと言われても好きな人のことが知りたいだけです。それだけのはずがなんでこんな本来の目的では場違いな雰囲気に。 「いいか、あのお方にだけは逆らうな。確かに危険ではあるが、あの方は並盛を本当に大事にしていらっしゃるから、規律さえ守れば平和に暮らせるからな」 「あの、ちょ・・・・・・」 「悪いことは言わない。あの方に関わるのだけはよしなさい」 いやもうとっくの昔に関わりまくっちゃってるんですが。とは言えない雰囲気だった。そんな大袈裟な、と本人を知った後だからこそ言えないのが悲しい。 「そうか・・・・・・確かに最近はあの方も並盛から離れていることが多いようだし・・・・・・知らない人間がいる世代も出てきてしまっているのか・・・・・・」 まずいな、校長先生に相談して特別授業の枠でも空けてもらうべきか。 綱吉のちょっとした恋する乙女の好奇心はとてつもなくずれた方向へ話が暴走してしまっている。特別授業って何だ。それは一体何について講義するのでしょうか、先生。 PR ![]() ![]() |
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