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今日は前半は学校へいって昨日のアピールシートの続き書いてきました。もう二度と書きたくない。でもあと2回くらいはたぶんかくはめになる(……)
後半は化粧品買いにいきました。もうほんと何一つもってないので一式全部。高かった(当たり前だ)なんで化粧品ってあんなに高いんだろう・・・でもおまけについてきたファンデーションのケースが可愛くてそれだけはちょっと嬉しい。
化粧っていうのはすることが多くて世の中の女性は毎日あんなことしてるんですね・・・えらすぎるよ・・・。
月曜の会社の筆記試験の勉強をまったくしてませんごふごふ。


鏡の檻はもうちょっとで終る。今日は自分的基準で頑張った。ジョット様は最強です。感想はちゃんと見てますすいませんレス返してなくて(大汗)皆きっとレスより続き書いた方が嬉しいよね!!(いい訳するな)









はっ、はっ
息が荒くなる。病み上がりの鈍った身体は、わずかな時間の全力疾走でも悲鳴をあげる。全身鉛でも抱えたように重い。疲労からか、足ががくがく震えていうことをきかない。
それでもあの場所から、少しでも遠く、一分一秒でも早く逃げたかった。

気づいた。

自分が呼んだその名に、確かにあの人は気づいた。
気づき、それを確かめようとして、そのせいでジョットの攻撃を避けられずに、その顔がこちらを向くことはなかった。
今となっては、そうやって意識をそらせたのは運がよかったのかもしれない。自分にとって。
限界がきたところで壁に身体をもたれかけて、ずるりと崩れ落ちる。冷たい感触がほてった身体に気持ちいい。
(ばかやろう……!!)
お前は贖罪をうけにいったのだろう。断罪してもらうためにあの場にいったのではなかったか。
それが罪を償うどころか、あんな場所で、秘密だと言われた名を叫んで。他人に知らせて。
挙句のはてにこうして逃げている。
あの人に嫌われる覚悟なんて、全然できていなかったことを思い知らされる。
だってそれは、想像だけでも耐えられない類のものだ。どんな覚悟をしたって無駄なのだ。
悔しかった。
あの人がジョットしか見ていないことが悔しくて。自分だってここにいるんだと言いたくて。
言ってはならないことを言ってしまったのは無意識だった。ただ名前を呼ぶだけでは気づいてもらえなかったから、あの人の特別を利用した。
本当は呼んでみたかったのかもしれない。いつだって思い出していた。
「ひばり、ひばり、ひばり……」
綺麗な響きだと思う。きっともうこの名を知っていること事体許されないから、今のうちに呼んでおきたい。囁くように、呼びかけるように、祈るように、焦がれるように。


「面と向かって呼ばれた方が嬉しいんだけどね」


「……っ?!」
心臓が跳ね上がった。油断なんてしていない。細心の注意をはらって気配を確かめていたはずだった。なのに、目の前には漆黒の人影。深淵を思わせる黒曜石。鳥の名を持つ男は、ゆっくりと近づいてくる。

カツン

カツン

カツン

乾いた靴音が世界を崩す。
顔が蒼白になっている自覚があった。心臓は暴れまわって負担を訴える。

「ねえ」

その声を合図代わりに、がばりと立ち上がった。次の瞬間には再び彼に背を向けて走り出す。

(なんでなんでなんでっ……!)

真っ白になりそうな思考を必死に繋ぎ合わせる。
彼にわかるはずがないのに。あの時確かに自分はその名を呼んだけれど、彼は自分の姿を見なかった。この姿でいる、ボンゴレでもジョットでもない自分の真実なんて、彼が知るはずがない。

なのに何故、確かな自信をもって彼は追ってくるのか。

何度も足がもつれて転びそうになった。無理な動きに手足が痛みを覚える程だったのに、ほんの数秒の後には腕がとられて、かかるはずだった力の行き場がなくなりバランスを崩した身体が倒れる。とっさにとろうとした受け身が、何か柔らかく、温かな感触によって無駄になる。
覚えのある温かさだった。同じように抱きしめられたことがある。どちらも泣きたいほど嬉しくて、笑いたくなるほど辛い。
背中の温もりに振り返ることができない。
「離してくださいっ……雲の守護者の方が一体オレなんかになんの用があるんですかっ?!」
「何それ。まだそんなこと言ってるのかい?」
精一杯の虚勢も、馬鹿馬鹿しいと一蹴される。彼の頭が自分の肩口に乗せられた。体温を直に感じる距離。さらりとした髪が首元に触れる。
心臓はすでに馬鹿になってもどらない。
あつい。身体中が沸騰しそうだった。いたたまれなくて、冷静じゃいられなくて、とにかくがむしゃらに抵抗した。その度に拘束する腕の力が強くなっていく。業をにやした男が折れそうな程の力をこめて捕まえて声を発した。





「つなよし」





自分は死んでしまったのかと思った。
「は……」
身体中に力が抜けて、体重全てがその腕に支えられている状態になる。抵抗できないまま身体を向きなおされて、飾りでしかない眼鏡を外されて、繊細な仕草で前髪を書き上げられる。
顔が露になって、今日初めて、まっすぐに彼の瞳を見返した。

ふわ、り

ほころぶとは、きっとこのことを呼ぶ。
「まったく、君の名前を呼ぶのにこんなに時間がかかるとは思わなかった」
あの男の名前でなんて呼びたくなかったし。
涼やかな声が信じられない。そんな静かな、穏やかな声で、この人は自分の世界をめちゃくちゃにする。
「なん、で……」
なんで。どうして。
「あの男が教えてくれたよ。気に食わないけど、今までもらったものの中では一番いいね」
声が優しさをおびていると感じるのは願望か。頬を包み込む掌は、本当にこの人のものだろうか。


「君の本当の名前だ」


そう。『ジョット』でも『ボンゴレ』でもなく。それは正真正銘、自分だけの。
遠い異国の名だというそれは、ジョット以外は誰も知らない。


ジョットに与えてもらった、自分が自分である、最後の証。



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