ひとことやらもしかしたら妄想文やら
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本日二つめの書き込み。現実逃避なパロ。
(あ―――・・・・) 小鳥が舞い降りていく先、漆黒の人影は、それだけで綱吉のすべてを奪った。 その人物は自分に向かってきた小鳥に気づき、す、と腕をあげ、指を差し出す。当たり前のように小鳥はそこにおさまった。 変わらない、流れるような濡れ羽色の髪、姿勢のよい立ち姿、背は少し伸びただろうか、遠目から見ても、綱吉の記憶とは差異があることがわかる。 美しい人。 ぽた、と胸元の布が濡れる感触がして、その冷たさに初めて綱吉は自分が泣いていることを知った。 ぽろぽろぽろぽろ。声も出さず、無意識のまま零れ落ちる。 まちがいない、綱吉が焦がれてやまない唯一人。 (きょうやさん・・・!) 好きだ好きだ好きだ好きだ大好き。 姿を認めるだけで胸が締め付けられて今にも倒れてしまいそうなくらい痛い。この一年、どうしてあの人がない中で生きてなどこれたのだろう。今胸を満たす感情は、満たすどころかあふれ出てき決壊さえさせそうな。 「・・・君」 声、が。鼓膜にその振動が届く。綱吉に向けられたそれではない。小鳥にぽつりと呼びかけるだけのそれが、やはり以前より低くなっている気がして。 心臓が死にそうだ。 「僕に何か用?」 「キリン!キリン!アルジ!マイゴ!」 「キリン?首の長い草食動物かい?」 綱吉は知る由もないが、雲雀にとって久方ぶりの柔らかい声色。 迷子なのはむしろ小鳥の方だ。最終的に頼るのが何故よりにもよって雲雀なのか。昔から雲雀は動物には好かれる性質だった。野生の本能的なものかもしれないが、まさか妖魔までそれに適用されるなんて。 (お願いだからそれ以上喋らせないでよ・・・!) 声がするたびの興奮ですでに綱吉は呼吸困難で苦しい。苦しいのに一生でも聞いていたい矛盾が悪循環させる。 とても立っていられなくて、電柱と看板でできた物影にしゃがみこむ。視界に入らなければ姿が見えない分、幾分かましだ。 雲雀さんでてきた。 PR ![]() ![]() |
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