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予定が入りました。お仕事というよりは、お手伝いの領域ですが。昨日、一昨日はほとんどそれしてました。妹の定期演奏会のビデオ編集を。初めて学校の授業でのスキルを日常生活で使った気がする。いや、使っただけ無駄ではなかったということか・・・



「え、と・・・・・・」
たしたし、と丸っこい猫の足先が今まで己の眠っていた柔らかなくっしょんを軽く叩いて、猫に似つかわしくない、しかしとんでもなく愛らしい行動に目を瞠る。ここに座れ、と言っているようだった。本当に猫かお前。
なぁお、また一鳴き。
綱吉はいいのかなぁ、と不安になりながらも、そもそも呼び出されたわけであるし主不在とはいっても、立ったままなのもあれだ。さすがの委員長様も座って待っているくらいは許してくれるだろう。諦めた溜息。殴られたらその時はその時だ。一時の我慢だ。入院沙汰にはならないだろう。・・・・・・多分。
意味もなく音をたてないよう身長に黒猫に指定された位置に腰掛ければ、満足がいったように小さな存在は再び姿勢を崩すとうつぶせのような体勢になる。出て行く気はさらさらないらしい。ぷっ、といっそおかしくなって、吹き出すのを我慢できなかった。
「お前、なんか雲雀さんに似てる」
この部屋は自分のものだとでもいうような偉そうな態度も、漆黒の美しい毛並みも、撫でるのは許しても餌、施しは受けない気高そうな雰囲気も。しなやかな立ち姿も。こうして不思議と綱吉を受け入れてくれるところも。
綱吉の言葉に、黒猫はぴくぴくと耳をわずかに反応させると、つ、と視線を向けた。
まんまるの瞳はどこまでもまっすぐだ。まるで本当に雲雀に見つめられているようで、だからだろうか。つい、本人にききたくて、しかしきけないことがらが口からすべりおちてしまう。

「・・・・・・あの人は、どうしてオレを・・・・・・」

いい匂いがする、というのは本人の談だが、綱吉は自分が他人と違う匂いをさせているとはついと思えない。ためしに母親を初め数居る同居人、はては家庭教師にまで確認をとってみたが、皆口をそろえて特に変わった香りはしないという。自称右腕の友人は聴覚が人よりずっと優れているというが、ならばあの人は嗅覚が人とは異なるのだろうか。
しかし、本人のいうそれ以外の意図が見えないというのも、また事実。

理由が、欲しいのだろうか。

理由を知ってどうするのだろう。もうきたくないからどうにかそれを解決させるのか、どちらでもいいが単に気になるからか、―――それとも。
堂々巡りである物思いにふけっていると、委員長、と扉の向こうから綱吉の思考を遮る声。聞き覚えがあった。慌てて席をたつと、がらり、と扉を開けば、やはり見知った大柄の体躯。
「沢田さん」
「あ、あの、すいません。雲雀さん今いなくてオレしかいないんですけど・・・・・・」
綱吉にも丁寧な態度を崩さない雲雀の部下は、見た目にそぐわず穏やかだ。少々の怯えからくる緊張を含んだ綱吉の態度にも、安心させるようにそうですか、と落ち着いた声をかけてくれる。
「お待たせしてしまったようですね。すいません。お茶でも淹れましょう」
「いいっ!?いいえ!いいですから!!」
普段から綱吉が訪れた時にお茶やお菓子を出してくれるのは確かに草壁だが、あくまでそれは雲雀が命じたからであって、綱吉しかいない状況でそれをしてもらうにはどうにも落ち着かないというか、おそろしいというか、滅相もないというか。

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