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まったくレスを返せていないので近々拍手を撤去します。いきなり消えててもバグとかではないのでお気になさらず。

今日は妹の学校の定期演奏会でした。懐かしかった。





それからどれだけ迷っただろうか。

(起こそう、この猫のためにも・・・!)

綱吉は悲痛ささえともなって決心する。手は自然と握り拳だ。どれだけ癒されようとここは心を鬼にして起こさなければ、この猫の身が危ういのだ。情に流されてはいけない。
ごくりと唾をのんだ。
物音を立てないように、忍び足で猫の寝ているソファまで近づく。ゆっくり、静かに。恐る恐る腕を伸ばした。これから起こそうというのに、そんな矛盾する行動をとってしまうのがおかしい。

30センチ

20センチ

10センチ

宙に浮いた手が、あと数センチでその毛並みに届こうというとき、今までの眠りが嘘のようにぱちりと黒い瞳が姿をあらわした。
「わあっ!」
心臓が飛び跳ねた。驚きのあまり身をひいてしまったのにつられ、後ろに倒れそうになる身体をなんとか立て直す。
いつの間にか身を起こしてお座り体勢になっていた元凶は、そんな綱吉を何しているんだとばかりにじっと見つめている。
「あーえっとー・・・・・・」
猫とはいえ真っ直ぐに見つめられて気恥ずかしく、言葉がなかなかでてこない。
「よ、よく眠れた?」
なぁお、短かったがはっきりとした鳴き声。偶然なのか、そうではないのか、返事のようにも聞こえる、計ったようなタイミング。この猫は時々綱吉の言っていることを理解しているのではないかという反応をする。一方通行でない感覚が、ちょっと嬉しい。
「ってそうじゃないよ!あのさ、悪いことはいわないから、昼寝なら別の場所にした方がいいって。クッションとかが欲しいならここよりいっそ保健室とかの方がまだマシ・・・・・・のはずだから!」
用途上動物の入室は歓迎されないだろうが、今まさにこの部屋の主に受けるかもしれない仕打ちを考えれば、保険医に追い出される方がどれだけ穏やかなことか。
なぁお、もう一度猫が鳴く。
焦りも怒りもない、ただ呼びかけるような響き。ふと、さわだつなよし、と呼ぶ先輩の声が胸元をすぎていく。思い出すあの声色は、どこか綱吉を落ち着かなくさせる。


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