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起きた後気づけば1時間ぐらいたってたりする。二度寝か。あの魔の誘惑か・・・!!



時代もの。書きたいのはここじゃないんですが。


「ひば――」
かけつけた男がようやく何かを言いかけたのにも関わらず、容赦のない、べきいっ、っと何かが激突する鈍い音。聞いているだけで身がすくむ、ぞっとする音だった。綱吉は自分がその攻撃を受けたわけでもないのに空恐ろしくなった。何かとても固い物体が男に投げつけられたらしい。直撃した男は地面に倒れこんだ。あの、オレ今何も見えなかったんですが。
それをなした本人は特に珍しいことをしたわけではないらしい。しれっと自然体である。理不尽さなどなかったかのようにふんぞり返った。
「それで?これはどういうことだい」
ちらりと身体の下の綱吉に視線を向けて詰問する。そこでようやく綱吉は理解した。どうやら綱吉ごときを逃してしまった失態に対する叱責の一部だったらしい。それにしてもこの人物は綱吉を逃がした本人ではないので、やっぱりここまでするのは理不尽な気がしないでもないが。
「も、申し訳ありませんっ・・・・・・!例の貢物に含まれていた者です。突然逃げ出しまして!すぐに連れ・・・・・・っ」
どごぉっ
今度は足だった。おかげで綱吉の拘束はとけて自由になったのだが、とても逃げ出せる雰囲気ではない。そうしたら最後、あの攻撃の対象が己になることがよくわかっていた。誰だって命は惜しい。
「後で逃がした役立たずは僕のところによこすように。あと、この子は僕が預かるよ。おもしろそうだし」
そう言って好奇心に満ちたきらきらした瞳を綱吉に向ける。何か珍獣扱いされている気がする。
「はっ」
命令しなれているところだとか、兵達がかしこまっていうことを聞いたりだとか、そもそも罪人(・・・・・・なんだよな扱いどうしよう)である綱吉の処遇を勝手に決められるあたり、どうやら恐ろしく強いらしいこの少年は城の中でもかなり偉い人らしい。それまでのやりとりで綱吉が理解できたことはそれだけだった。それ以外は今現在も理解しようと台詞をくり返し頭に思い浮かべる。
(・・・・・・ん?)
預かる?
「ええええっ?!」
「なんだい」
「オレあなたに連れて行かれるんですかっ?!」
「うん」
素直に牢獄行く方が怖くないと思ってしまったのは生物として正しい本能ですよね?!きかせる相手もいないが綱吉は心うちで絶叫である。
「・・・・・・きいてもいいでしょうか」
「内容によるね」
「オレを連れて行くのは何が目的で?」
正直綱吉はその問いの答えを九割がた悟っていた。最後の悪あがきというやつだ。

「鍛えたら結構おもしろくなりそうだから」

え、子どもみたいに無邪気な顔して何言ってんの?

それで罪人あっさりひきとるんですか。ていうか侵入者強くしちゃっていいんですか。綱吉はつっこまずにいられた自分を偉いと思った。最近暇なんだ。この少年(といっても綱吉よりは上のようだが)女相手に物騒すぎることばかり言う。むしろお城の兵士たちが可哀想すぎて目から汗がでてきそうだ。侵入者がいないように頑張って見張っているのに、上司らしき男はむしろ強い侵入者が大歓迎らしい。


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