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父と兄にあげました。特にあれな反応もありませんでしたつまらない。


というわけでどかーんバレンタインネタ。

※どかーんと恋心の若干ネタバレ有


バレンタインデーである。
日本において女子にはおおいなる意味をもつ日だ。たとえそれがお菓子会社の陰謀だろうがそんなことは乙女にとって関係がない。関係ないといえば綱吉はその行事自体自分には関係ないと思っていた。
そう、今年までは。


「綱吉くんが恋をしたですって?!」


彼女のバレンタインはまず害虫の駆除から始まる。

「チョコ……!君が手作りチョコ!!チョコ好きの僕らがどんなに言っても覚えてくれなかったチョコ菓子づくりを君が……!」
舞台俳優がごとく大げさに驚いてみせる植物頭。慌てて手にしていたボウルを隠す。
「うるさいなもーほっとけよっ!オレの恋路なんてお前には関係ないだろ?!」
「何言ってるんですか綱吉くんあるに決まってます何せ『僕より弱い奴は認めません』を実行するチャンス!ついでにおもしろおかしくひっかきまわして遊ぶチャンス!」
「最悪だなお前!!!」
もう嫌だこんな幼馴染。
「だって君が恋……僕は嬉しいです。これで思う存分あそ――協力してさしあげることができますからね。――雲雀くんを紹介するのが間に合わなかったことだけが心残りですが」
「お前わざとだよな今本音もらしたの絶対わざとだよなつーかお前の恐ろしすぎる紹介相手なんて誰が会うもんか!!」
必死だ。綱吉的には綱渡りだった。彼の言う『雲雀』から逃げたくてあの人に恋をしたわけではないけれど、危険人物との遭遇を回避できたことは素直にほっとする。
(や、危険人物って言ったらあの人だってそうなんだけどさ……)
彼を思い出して綱吉の頬がわずかに紅潮する。
危険だけど、怖いけど、強くて、凛としていて、真っ直ぐで、一途で。どこか不器用で、大事にしているものには本当に優しい。

初めて好きになった人。

「にやけてますよ顔」
「はっ!!」
慌てて表情を引き締める。
「クフフ、本気なんですねぇ」
その笑みがどこからどうみてもニタリ、としか見えないのは何故だ。
「そんな君に素敵な贈り物、なんとびっくりこれを混ぜれば一瞬で貴方に惚れる惚れ薬。いかがです?」
「いかがですとかいいながら返事も聞かず混ぜようとすんなーーー!!!」
「甘いぞ骸。いきなりそっちじゃつまんねーだろ。ここはやっぱり痺れ薬から……」
「先生ちょっと待ったそれどんなん!?それでどうやって恋のメロディ始まんのねえ?!」


中略



「……どうしたんだい、君。随分とぼろぼろだけど。ここにくるまでにまた何かに絡まれた?だから外出する時は僕を呼べって言ったのに」
数日ぶりに並盛を訪れた綱吉に向けた第一声である。彼女は髪がところどころ焦げてその服も煤で汚れている。ふるふる震えている足は疲労からか今にも崩れ落ちそうだった。
「違うんです……!惚れ薬とかしびれ薬とか怪しい緑の物体とか火を噴く鉄砲にチョコでできたお菓子の家なメルヘンに何故かおっかけてくる男の集団とか何か勘違いしたマフィアとかちょっと命が消えかかってみたりだとかあったなんてありませんから!!」
「……まあよくわからないけど無事ならいいよ」
後で原因はきちんと咬み殺しておこう。意味不明だったが。



「それで?今日はなんの用だったの?」
「え、あ……その……」
いつも通りえさの役割を終え、(といってもぶらぶら歩いて回っただけだが)彼の問いかけに綱吉は言葉を濁す。
(いけ!いくんだオレ!!ここまできたんだ渡さなくてどーする!!)
くじけそうな己を叱咤する。

「あのですね!!」
「うん」
「こ、これをっ……!!」
「これ?」

ずいっと手にしていた包みを差し出す。彼はきょとんとそれを見つめる。
「ももももも貰ってくださいっ……!」
「僕に?」
こくこくと首を縦に振る。緊張だけで意識がふっとびそうだった。
「……ありがとう」
(ぎゃーーーーーーー!!!!!)
ありがとう、ありがとうだってどうしよう御礼言われた!!すごい嬉しい嬉しすぎるやばいよ何がやばいのかうまく言えないけどやばい!!!
大好きだ。
綱吉の内心は大パニックだ。顔はとっくの昔に沸騰しているし心臓は今にも破れそうだし言動も絶対におかしい。けれど、けれども。

今ならいける気がする。

「あのっそ、それでですね」
「うん」
「オレ、オレっ……!!」

綱吉の雰囲気が違うことに気づいたのか、彼は静かに言葉の続きを待った。喉がかわいた。一世一代の勇気をふりしぼり、そこに、息を通して――…




「それ義理ですからそれじゃーーー!!!!!!!」





とりあえず家帰って泣きました。


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