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今日は午後から授業です。昨日の夜は妹と兄の彼女が一緒にチョコ作ってました。うちで。(……)
……つっこむところだろうか。いえ仲がいいのはいいんですけど。


妄想を我慢できなかったのでまた影武者ツナ♀。前書いたやつとはまた別で。


ある男との交渉を受けることになった。
アッロドーラ。
そう呼ばれているらしい。鳥の名だ。本名は知らない。自らの『オリジナル』である男が、散々話をもちかけ、その度冷たく一蹴され、それでも雲の守護者に、と望む男。

――あいつに隙は見せるな。ぼろぼろにされた挙句、興味をなくされる。

やられるのはいい。だが興味をなくさせだけはするな。あの男に興味をなくされたら終わりだ。彼は興味がないものに容赦がない。はっきりとその差が現われる。こちらの要求を受け入れさせる可能性がなくなってしまう。
何度も繰り返された忠告だった。

強い男だと言う。
強き者を好む男だと言う。

だから自分がここへ来た。抗争でぼろぼろになった身体がベッドから離れてくれない彼の代わりに。彼に失望させないために、なんでもないような顔をして見せるために、他の守護者さえ欺いてここにいる。


出会った瞬間に、奪われたことを知った。


全て。『代替品』である以外の、ほんのわずか『自分』として残った部分全て、その男に奪われた。一生、焦がれ続けるだろうと知った。

その人は訪れた自分を方眉をわずかにあげて一瞥しただけで、特に動揺もしなかった。
時が止まったかと思ったのだ。
誰よりも何よりも己を持った瞳だった。誇り高い確固たる己を持った人だった。それを侵されるくらいなら、その力で周囲さえも変えてしまう人だった。
あまりにも自分と正反対のその存在に、心臓が痛いと悲鳴を上げている。
それを人は恋と呼んだ。
そんな感情を持てるだけの自分がまだ残っているなんて知らなかった。
全部全部ポーカーフェイスの下に押し込めた。己を全て隠せることが、誰にも気づかれずにあの人の代わりをしてみせることが、最後に残った誇りだった。
あの人に頼まれたこと。きっとまた拒絶されるのだろうと、それでも完璧なあの人として、言って見せた先。
「ファミリーがどうとか有益だとかどうでもいいよ。僕が興味があるのは一つだけだ」
「なんだ」
聞いていたのとは違う反応。動揺する本心を悟らせずにいるのに精一杯だった。だが何故だろう、とても。

「君は僕が必要かい?」

とても、嫌な予感がして。
答えなんて決まっている。でも。
喉がからからに渇く。言っては駄目だと、本心が、己に残った浅ましい部分が、嫌だ嫌だと子どものように駄々をこねて拒絶する。
声が、かすれて。音を発することはどうしてもできなくて。
ずたずたに切り裂かれていく精神は、その欠片を拾い集めて、死に物狂いで首を動かせる。
頷いて、みせる。
空気が変わった。
「いいよ、君の雲になってあげる。その代わりー……」
笑う。獰猛な笑みだった。これから大好きな獲物を狩る獣に似ている。


「君の全てをかけるんだね」


君の全てを僕が貰おう。

ああ。
知ってしまった。気づいてしまった。どうしようもない絶望が身を引きちぎりそうだった。
彼は。彼が想う、その人は。

自分が演じるそのその人を、憎いと思ってしまったのは初めてだった。

初代ボンゴレ。一代でファミリーを築き上げた傑物。最強の男。
『本物』
彼と出会ったこの場でさえ、あの人に与えられた舞台。


初めて欲しいと思った人は『自分』ではない彼の人を愛していた。


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