ひとことやらもしかしたら妄想文やら
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そしていらっしゃいレポート(遠い目)
学園祭は楽しかったです。うちのクラスも結構好評でお客さんいっぱいきました。ワオ。一応分類はホラーなのにまったく怖くなかったもよう。でてきたちっちゃい子に「怖かった?」と聞いてみたら普通に首を振られましたそこまでか。一番反応がよかったのはエンドロールのNG集でした。 まあいいです。 結局見ようと思っていた先輩の映像作品は見れなかったんですけどね。おばけやしきはどんなんだったんだろう。 本がついに届いてほくほくしつつ読破。超幸せ。ご本人のやばいアンソロやばい。全部やばい。ああそっかヒバツナってこんなに素敵で純愛なんだと再認識。あああああ言葉で言い表せない!! ちょっと間が空いた続き。 この子どもは常日頃どれだけ雲雀が我慢――なんて己らしくない単語だろう!――をしているのか知らない。雲雀がまだ本能の欲求のままに行動しないのはひとえにいずれ必ずそれはできるという確信があるからであって、そこからくる余裕にあることが大きい。 あとは一応雲雀だってあれやこれやのままに押し切るよりちゃんとしていた方があの子どもが喜ぶとわかっているからだ。 いずれ既成事実でどうにかしようと思っていて本気で実行する気であろうと、雲雀はやはり子どもが喜んだり嬉しそうだったり楽しそうだったりするのが好きなのだ。悔しいことに。 恭弥さん、とはずんだ柔らかい声で呼ばれた瞬間の、じんと痺れるような感覚は言葉に表しにくい。 ともかく、そんなことばかり考えている雲雀に対してこんな。 雲雀だけを見て、雲雀だけに。他に誰もいないとばかりに。 こんな、縋るような。 こんな所で、あの駄犬からも逃げて一人で隠れてうずくまって震えているくせに。誰にも見つかりたくないと思っていたはずなのに。なのにこんな風に。 雲雀の存在をみつけた途端、瞳にやどったのは驚きと、安堵。 あんな不安に彩られた顔をしながら、どこかで雲雀なら、と信じている瞳。明らかに人から逃げた、特別な感情を抱いている人間にこんな反応をされて、胸に湧き上がるものがないと思っているのかこの子どもは。 「どうしようきょうやさんっ…オレッ…」 「落ち着きなよ」 反乱狂な子どもを落ち着かせようと、腕を広げ抱き込もうとした寸前、近づいた身体から、何かの鼻につく匂い。 「血…?」 嗅ぎなれたそれが、この子どもから。冷静だった思考が、ぷつりと切れる。 「君、まさか怪我っ……!」 誰かに何かされたのか。だからこんな状態なのか。並中の不良連中にカツアゲでもされたのか、単に暴力のはけ口か、それとも最近表れるようになったマフィア絡みか。 今すぐにでも犯人を世から消滅させる勢いである雲雀に、けれど子どもは弱々しく首をふった。 「ちがっ……ちがう……」 「でも君から血の匂いがする」 子どもは顔を俯かせて口をつぐむ。その目じりからはぽろぽろと大粒の水滴が零れ落ちるばかりだ。 「ともかく保健室に――……」 「いやだ!!絶対にいや……!!」 弱々しかった口調が、突然せっぱつまって声が大きくなる。悲痛さを帯びるほど絶対的な拒絶だった。はっ、と子どもは我にかえって再び気まずそうに視線をそらす。 「だって、だって……やだ……触られたくない……気持ち悪い……でも、いたい……やだ……どうしよう……どうしよう……!」 どうしよう。先程から子どもはそればかりだ。気持ち悪い。痛い。一体何が――…… 「きょうやさんたすけて……おれっ……」 胴体に縋りつかれて、今度こそ雲雀は子どもの華奢な身体を抱きしめる。再び鼻をつく匂い。血と、よくよく確かめれば純粋なそれとはどこか違うような何かの含まれた――――…… その瞬間の雲雀の心境は、まさしく青天の霹靂。完全に予想もしていなかった出来事。本当に何の前触れもなく、唐突に、まるで天啓のように、ひらめいてしまった。 思い至って、かっと頬が熱くなる。どくんと心臓がはねた。そのまま早鐘を打ち続けている。 それは。だってそれは。 血の匂い。痛いと泣き喚いて。どうしようと動揺してばかりで。人に知られたくなくて逃げた。 わかってしまった。知ってしまった。気づいてしまった。この子は。 雲雀がたった一人、異性だと認識し想うこの子は。 もう子どもと呼べない存在になったのだ。 PR ![]() ![]() |
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