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従兄弟につきあってとあるグループのPVに出てきた土地巡りしてきました。運転手で。こんなに連日長時間運転したのは久しぶりかもしれない。あるいは初めて。従兄弟はすごいです。はたして体力なのか精神力なのか。そのテンションの維持っぷり。いっそ尊敬です。

明日はノグさんや九条さん玉響さんとカラオケです。色々歌ってきます。




「うちの学校に通うの?」


母親からの提案を報告すれば、兄はきょとんと珍しく年相応の表情をした。どうやら驚いているらしい。そこまで意外なことだとも思えないのだが。兄妹である以上、学校へ行くなら同じところなんて普通ではないか。中学は本来なら義務教育なのだし(ひなはその義務教育を一日たりとて受けたことはなかったが)
「うん、そろそろ外に出ても平気だろうって」
蒼弥のように関係者にもれなく、とまではいかないが、今は暗黙の了解程度にはひなの存在も明るみに出始めたのだ。少なくとも施設内でじっとしていなければならない理由はない。
「・・・・・・だめ?」
「ひながくるのは嬉しいけど・・・・・・・」
少し眉根を寄せて蒼弥は考え込み始めた。今度はひなの方が驚く。蒼弥は妹にそれはもう甘い。ひなは自分が兄にとても愛されていることを知っていたし、また自身も兄を愛している。しっかりと物を考えられる年になっても変わるどころか年々ひどくなっていくそれに周囲が遠い目をしてしまうくらい、ある意味、相思相愛の兄妹なのである。てっきりすぐに喜んでくれると思っていただけに、困惑してしまう。
「反対してるわけじゃないよ。僕もいいと思うし、サポートだってもちろんするし」
ただ。
「・・・・・・・ひな、普通の学校生活おくってみたい?」
「うん」
何を考えるまでもなく即答していた。ひな自身、答えてから自分の答えを認識したぐらいに。籠の鳥そのものな人生をおくってきたのだ。自由に外へ出て、普通の人のように過ごしてみたい。
(それだけじゃ、ないけど――)
父と母、そして大好きな相手が過ぎた場所。兄が留まっている場所。ひなにとって並盛中学という場所は、他のどこよりも特別な響きをもっている。

憧れであり
美しき過去で現在で未来あり
それは自由の象徴。

ひなにとって『外』への憧れは、いつしかひとつの存在だったのだ。ひなの大事な人達が皆『特別』に思っている場所。ひなだけが知らないそこ。


きっと、誰もが想像もしていないほどに。焦がれて。


妹の答えに兄はうん、と今度は戸惑いなく頷いて見せて。

「わかった。ひな」

君、沢田ひなになってね。

とりあえず断定形で宣言した。




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