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自分のこと棚にあげて「僕のまわりにはおかしな人間しかいないな」とか思ってそう。


続きがツナ誕の続きじゃなくてすいません。


※まさかのワイルドハーフパロ。書きたいとこだけ書きなぐり。人に変身したりとっても強かったりする特殊な種族な獣の雲雀さん。黒猫。ツナはボンゴレ10代目候補。リボーンもいる。でもところどころ原作と違う。とにかくパロ。



「いい匂いがする」


入学早々、怖い怖い先輩はそう呟いた。
並盛中に入学して初の登校日。校門前でかの有名な並盛中風紀委員が新入生達を牽制するかのように並んでいる姿は圧巻で、自他共に認める臆病者である綱吉は緊張からごくりと喉をならした。初めての服装検査を受ける新入生達は、普段の暢気さも忘れて皆似たような表情をしている。
大人しく順番待ちの列に並んでいた綱吉は、ふと、強面の風紀委員の集団の中に一人だけ毛色の違う人物がいることに気がついた。学ランは同じだけれど、その集団の中にいるのに違和感を覚えるほど小柄で(最も他の比較対象が大きすぎるだけで、実際のことろそう小さいわけでもない)整った顔立ち。さらりと揺れる漆黒の髪。その視線は別のところへ向けられていて、綱吉からはその瞳はよく見えない。

――あの人が、雲雀恭弥。

少々の驚きと、納得。噂でしか聞いたことはないけれど、風紀委員の中でたった一人、リーゼントではない彼こそが、この並盛の主である少年なのだ。人並みはずれた強さを持ち、群れを嫌い、並盛の風紀を乱す輩を粛清する。あまりにも型破りな。
想像以上に、その姿はとてもそんなとんでもない人間には見えない。あのすらりとした身体で、どこから人々の言うような力が出るのだろう。
不思議な心地で見つめていたら、いつの間にか服装検査は順番がまわってきていて、初日から服装違反できるほど勇者でない綱吉は、すんなりと通過することができた。
ほっと胸を撫で下ろす。しかし、顔を上げて玄関までの道筋を確認すると、視線の先には黒の影。通り道にいるのはまごうことなき学校の主だった。ふたたび緊張が綱吉の身を包む。
ほんの一瞬、顔を上げた雲雀と、視線が絡まった。
緊張なのか、恐怖なのか、それとも。心臓がばくばくと暴れ始めた。鞄を抱きしめるようにかかえて、すれ違い様、ぺこりと頭を下げる。
頭を下げてそのまま急ぎ足で校舎へ入っていった綱吉を、何かに気づいたようにゆっくりと漆黒の瞳が追った。


――いい匂いがする。


向けられた視線も、その表情も見えなかったのに、不思議と耳に残るその声が聞こえたような気がしたのは、気のせいだったのだろうか。


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